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  • 【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑤ 池田町地域おこし協力隊・川瀨さん~脱サラして木こりに!「5つの財布」をベースに好きなことをして生きる~
【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑤ 池田町地域おこし協力隊・川瀨さん~脱サラして木こりに!「5つの財布」をベースに好きなことをして生きる~

【#えぞ財団】連載企画「#この人、エーゾ」⑤ 池田町地域おこし協力隊・川瀨さん~脱サラして木こりに!「5つの財布」をベースに好きなことをして生きる~

えぞ財団 2021年1月21日

組織のなかで、マチのなかで、もがきながらも新たなチャレンジをしているひとを紹介する「この人、エーゾ」。今回ご紹介するのは、川瀨千尋さん。川瀨さんは北海道様似町の出身で、約12年間不動産業界を中心に事務やマネジメントなどを経験してきました。そしてそこから脱サラした先は…「きこり」!? 一見全く予想のつかない経歴を辿っているような川瀨さんですが、実は高校生時代から描くビジョンのもとチャレンジを続けています。

川瀨千尋:池田町の地域おこし協力隊。1987年様似町出身。自衛隊に所属したのち、総務事務や不動産の仲介、住宅マネジメント部門を経て2020年7月に池田町の地域おこし協力隊へ入隊。ファイナンシャルプランナーや宅地建物取引士などの資格を所有し、現在は山を守るきこりを目指し修行中。

池田町地域おこし協力隊
https://www.facebook.com/ikeda.chiikiokoshi/

ハウスメーカーから地域おこし協力隊に!?実はひとつのビジョン



元々不動産に興味があり、池田町の地域おこし協力隊に入る前は株式会社北王というハウスメーカーでマネジメント部門として、営業や土地売買などに携わりながら不動産について学んでいた川瀨さん。経理の資格を活かして不動産業界で経験を積み、支店長になるという話も出ていたなか、「いつか林業をやりたい」という自身の目標とマッチするビジョンをもつ池田町の地域おこし協力隊に入ることを決めたそうです。
「一見バラバラな道のりに見えますが、実はずっとひとつのビジョンで繋がっています。ですので、心機一転でやってみようと思いました」

きっかけは「金持ち父さん 貧乏父さん」〜好きな人と、好きなことをして生きる 



なんとそのビジョンは高校生時代に生まれたもの。「ロバートキヨサキさんの本『金持ち父さん 貧乏父さん』を読み、感銘を受けたんです。そこで好きな人と、好きなことをして働きたいというビジョンができました」中田敦彦さんのYouTubeで取り上げられたこの本は、現在再び大きな話題を集めていることでも知られています。
「不動産投資で収入を得ていれば、収入が上がらない好きな仕事も取り組める。不労所得を得る意味でも、不動産には投資をしようと決めていた
そういった先行きを視野に入れ、本の著者ロバートキヨサキさんが海軍を経験していたことから自身も陸上自衛隊に入り、お金を貯めつつ、経験も積み重ねてきました。
「林業もいずれやってみたいと元々思っていて、当初の予定では40歳くらいに林業をやり始めるという予定でしたので、それが前倒しになったというイメージです。これまでの経験や資格があるので、深くリスクを負ったというつもりはありません
まだ幼い2人のお子さんの父親でもある川瀨さん、そのような時期に思い切った転職は家族の理解を得るのが大変だったのでは?「元々妻とはビジョンを共有しているので、特に大反対にあうようなことはありませんでした。転職にあたってメリット・デメリットも話し、理解してもらっています」
普通ならここで夢が叶って何よりです、と締めくくるところ。しかし川瀨さんの計画はここでは終わりません…!

「5つの財布」を持つことで可能になる挑戦【低リスクでのチャレンジ】



林業を通じて何を目指すのか、その軸となるのが「5つの財布」だといいます。
財布とは所得のことを指し、「事業所得」「給与所得」「不動産所得」「配当所得」「山林所得」の5つの収入源があれば、「好きなこと」にリスクを背負わずともチャレンジできるわけです。
現在既に不動産所得を持ち、アパート経営を始めている川瀨さん。ここから会社を立ち上げ給与所得を得て、山主さんから預かった山林を施業したり薪の販売などで事業所得を得る。それがある程度叶ってきたら、高配当の株を購入して「超長期の投資として山林を運営していきたい」という想いがあります。
そのため、川瀨さんにとっては山林もまた投資対象のうちの一つ。
現在は山林を所有しても売り先が殆どなく、樹齢100年の木だとしても一律の価格で処分されているという現状があるのだそう。せっかく大きく育った木がそのように処理されると、山林を持つことがデメリットになり「固定資産税が払えないから山を売ってしまおう」なんて話につながってしまう。
「僕がそういうところに入っていって長伐期多間伐施業を行えば、木が無くなることなく山の環境が保全されて、将来的に太い木が資産価値を持つ時代に入った時、育ててきた木が大きな利益を生み出します。そうなれば、孫やひ孫の世代に財産を残すという投資法になり得るだろうと考えています」
短期で価格変動する株、中期で建物の価値がなくなってしまう不動産に比べ、超長期の資産運用ができるカードとなり得る林業。川瀨さんは、そんな環境と経済性の両立をエンドユーザーに届けられる林業者を目指しています。
普段森の中に入るという経験はなかなかできないもの。しかしきこりが森に入ることで、野生動物との境界ができたり、気軽なアウトドアワーキングが可能になります。
そして「『この木はあのきこりさんが切っているんだ、せっかくならそこのものを使いたいな』と思ってもらえるような流れを作りたい。そして、僕の後の世代にもきこりがまた続々と生まれるような環境を作りたい」という想いで日々の活動にあたっているそうです。
ちょうど信用経済の可能性が注目を集めているという背景もあり、「川瀨さんの切った木でできた物が欲しい」なんてニーズは今後高まっていくと予想されます。
「そうして同じビジョンを持つ仲間を集めて組織を立ち上げ、個人個人が収入を得られる仕組みを作りたいんです。自分のように不労所得を得ながら、またはある程度収益性を担保しながら会社を経営していくというスタイルを伝え、同じようなきこりが増えてくるといいなと思います

趣味を仕事に!池田町で向き合う林業とこれからの地域社会のカタチ



ここで疑問がひとつ。一体なぜ林業に携わることを目標に掲げていたのでしょうか?
「山菜ときのこが大好きなんです笑」と、実は根っこの部分はシンプル!
どうやったらその趣味を仕事にできるのかを考えた結果、林業に至ったといいます。もちろんそれだけではなく、組合に属することなく経営が成り立つ『自伐型林業』に取り組みたいという構想がありました。
この形態はまだ走り始めたばかりのもので、道内では旭川やニセコなど一部で行われだした事業です。そんな中で自伐型林業の推進を始めた池田町が地域おこし協力隊を募集していることを知り、現在に至ります。
北海道中川郡に位置する池田町の人口は約7,000人ほど。乳製品や農産加工物など多数の特産品があるなか、十勝ワインは国内外でも高評価を得ており、ワイン城と呼ばれる醸造所は北海道屈指の観光スポットとして人気です。
町の面積の約6割が森林に覆われ、降雪量が少なく林業にも適した環境。そんな池田町で、現在4名の地域おこし協力隊が活動を行っています。



今はこの優れた池田町の環境の中で、自らの手で新たな林業の取り組みを学び、将来的なビジョンを共有できるような仲間との繋がりを得ていると話す川瀨さん。日々山に入ってチェーンソーで木を切ったり、生きているトドマツを使ったクリスマスツリーを作るなど、山林への興味を促す取り組みなども行っています。
3年間の池田町地域おこし隊としての活動のうち、2年目は商品生産や営業活動、次はその収益性を担保する段階に入り、さらに次のフェーズとして不動産会社経営に向けた会社の立ち上げ準備、宅建業の免許取得なども動き出すという計画も準備。
「池田町に移住して、生産的な活動を続けることこそが地域おこしだと考えています。そのため、3年後の独立を見据えて日々活動しています。」

山林で、教育で次世代の北海道を多角的に育む。明確なビジョンでチャレンジ!



そして林業の他にも、高校生へのお金の教育に関する活動も進めています。
好きなことを仕事にすることがこれからは当たり前になっていく。「仕事と収益のバランスを考える時代に入っていて、好きなことで稼げなくても、他で賄うことができれば、好きなことができる」という生き方について、若い世代の人にも想いを伝えたい。そんな想いから池田高校の学生へお金の教育ができるよう打ち合わせを進めているそうです。
収入源を複数持つことで、好きなことを仕事にできるチャンスが広がる。森林を育てることで、北海道や次世代の新たなステータスを生み出す。川瀨さんは明確なビジョンのもと、【自分の好きなこと】である林業を通してチャレンジを続けています。

文責:伊藤はるな
写真協力:福家菜緒さん(池田町地域おこし協力隊)



この「好きなことを進める」というテーマは、先日行われたえぞ財団のイベント「EZOSUMMIT」でもディスカッションされています。
\ぜひこちらもあわせてご覧ください/

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